茶道具は流派によっても違いがある?「三千家」の基礎知識
表千家の茶道具の特徴
表千家と裏千家では茶道具にも違いがあります。
大手千家の茶筅は古い茅葺屋根の屋根裏などからとれる煤がついた「煤竹」という竹で作られています。菓子器と呼ばれるお菓子を入れる器には蓋があり、蓋を開けるまでお菓子が見えないようになっています。茶碗やそのほかの道具については、他の流派と比較して質素でシンプルなものが多いのが特徴です。
茶道具の買取を行っている業者の鑑定士は、こうした表千家と裏千家の道具の違いなどを理解しているはずです。
裏千家の茶道具の特徴
裏千家は新しいものを取り入れつつ、茶道を発展させていこうという先進的な考え方があり、利用される茶碗や茶道具に表千家のように質素堅実が見えるものではなく、華やかさが見られるものが多いといわれます。
表千家は煤竹を利用した茶筅を利用しますが、裏千家では真竹や孟宗竹を利用した茶筅を利用し、菓子器も蓋がないお菓子が見えるようになっている菓子器が利用されています。
茶道具の買取依頼をする際に、表千家・裏千家、その他流派に関して知識を持っている業者を選択しましょう。
武者小路千家の茶道具の特徴
表千家・裏千家と共に三千家といわれるのが武者小路千家です。
千利休から家督を継ぐ表千家、分家である裏千家と比較し、茶事も茶室もシンプルで簡素、茶事も合理的といわれている流派です。たびたび火災に見舞われ、立て直しをしてきたことからシンプルで簡素な物、合理的な物が多くなったともいわれています。
小規模ながらわびさびに趣を置き、保守的で合理性のある武者小路千家の茶道具はシンプルで簡素という特徴を持っています。華やかさなどは必要としない質実な伝統が、茶道具にも表れているでしょう。